きぶなくんの市場のお魚雑学ブログ(魚以外もあるよ!)
サンマの話
2021-10-18
田んぼにいるあの魚との意外な関係
今が旬真っ盛り!秋といえば絶対に欠かすことのできない魚といえばサンマです!
僕も焼き魚や刺身が特に好きなサンマですが、最早味などに関しては僕が説明するまでもないのではないかと思います。そこで今回はサンマの雑学について書きたいと思います。
まず、サンマという名前の由来です。サンマは横から見ると刀のように細長く、正面から見ると縦に狭い体をしています。この体の特徴からサンマは古くより「狭真魚(さまな)」と呼ばれていたことがあるようです。この狭真魚という言葉が「さまな→さんま」…へと転訛し、今に至るという説が巷では有名となっています。(注:諸説あり)
狭いという漢字が使われているサンマですが、旬の時期は背中に丸みを帯び、肉厚でとてもおいしそうです。しかし、時期の外れたサンマはとてもスリムで、まさしく狭いという漢字がしっくりくるような、そんな姿をしています。僕も実際に漁港で時期の外れた「はぐれサンマ」見たことがありますが、現地の漁師さんが「ゴム嚙んでるみたいで全然うまくねぇぞ!」と言っていたのは今でも忘れられません。笑
さて、サンマは大衆魚でありながら、イワシやサバなどと並んで青魚と言われる魚です。しかしながら、実はイワシやサバとは全く異なる種類の魚でもありまして「ダツ目」という魚のグループに含まれております。このダツ目の中にはサンマ科の他にダツ科・サヨリ科・トビウオ科の魚が含まれています。これらは人でいう親戚のように共通した特徴がある関係の魚たちといえます。しかしこのダツ目の中にはもう一つあるわけでありまして、その魚とは…
『ダツ目メダカ亜目メダカ科』
なんと、あの田んぼの人気者がサンマに近縁の魚というわけです。メダカなんて見た目がサンマと全然違うじゃないか!…と思う方もいらっしゃると思います。実はこれらダツ目の魚たちには、ある共通した特徴があります。とても簡単にいうと…各ヒレの位置や特徴がどの種類も共通しているのです。また、サンマもメダカも卵に毛のようなものが伸びており、これでメダカは水草に、サンマは海藻に卵を絡み付けて産むのも一つの共通点とも言えます。
このようにサンマとメダカ、全然つながりのない魚に見えますが、実は近い魚だなんてサンマという魚はその味わいと同じようにとても奥深い魚であったわけですね
追記
最後に気になった方の為にダツ目の魚類に共通するヒレの位置と特徴について『魚学入門』に書かれている内容をそのまま引用させていただこうと思います。
『各鰭に棘はない.背鰭と臀鰭は体の後部で相対し,腹鰭は復位.』岩倉保著 魚学入門2版(2007.2.1)P37
ありがとうございました!