きぶなくんの市場のお魚雑学ブログ(魚以外もあるよ!)
イサキのお話
2021-06-07
酉年と猪年の干支の魚?
全国が梅雨のニュースで慌ただしくなる今日この頃。この時期に旬を迎える魚の一つにイサキがいます。
血合いの赤みが美しく上品な白身にこの時期は脂がのり、刺身や塩焼き、ムニエルやカルパッチョなどなど様々な料理に合います。
さて、このイサキという魚ですが若魚と成魚で体の模様が異なります。若魚のころは白い縦縞が2本はっきりありますが、成長するにつれてこの模様がどんどん薄くなっていき、成魚になると完全に消えます。その模様がイノシシの子供の模様に見える為、地域によってイサキの若魚の事を「うりぼう・うりんぼ」と呼ぶことがあるようです
また、このイサキという魚、とても骨が固いことで有名な魚でもあります。この魚を下手に捌くとすぐに包丁が刃こぼれしてしまい、その度に鍛冶屋に研ぎ直させることから『鍛冶屋ごろし』という一風変わった地方名を持つほどです。
そしてその背ビレには強靭なトゲを持ち、それを広げた姿がまるで雄鶏のトサカのように見えるため、漢字ではイサキの事を『鶏魚』とも表記されます。
イノシシやニワトリなど、動物関連のエピソードを持つイサキですが、水族館ではそれらの話に目を付けて、酉年と猪年の正月に「干支の魚」としてイサキを紹介する…という事もあります。
これから産卵の時期を迎え、餌をたくさん食べて脂ののったイサキはマダイにも劣らぬほどの美味と称される魚です。身だけではなく、皮や卵にも旨味がありこちらも絶品と珍重されるようですね。
今年は特に九州近海でイサキが大量に漁獲されているようで、例年より卸値が1~2割安くなっているとニュースにもなっていました。私も文章を書いていて只々イサキを食べたくなってきました。これからますます美味しくなるイサキこの時期に是非食べておきたい魚ですね!
補足the豆知識《魚の縞模様》
先ほどイサキの縞模様を縦縞と書きましたが、魚の縞を判別するためにはまず魚の頭を上に立てた状態にします。そこから縦か横かを見分けます。例えば…
イサキのように頭部から尾部まで伸びる縞は…縦 例 >◦==)<
イシダイのように背部から腹部に伸びる縞を…横 例 >◦|||||)<
…と、このような感じです。(笑)
いまいち説明になっていなかったかもしれませんが、水族館など行った時に話のネタにでもしてくださいね!
