きぶなくんの市場のお魚雑学ブログ(魚以外もあるよ!)
サザエのお話
『新種の生き物発見!』と聞くとロマンを感じる方も多いのではないでしょうか。ですが、意外と知られてないところで新種の生き物とは人知れず毎年発見されているもので、それが深海や前人未到の地などの他にも意外と身近に存在していたということもあります。
ここでひとつ2017年5月16日に起こったエピソードを紹介したいと思います。
…と、その前に地球上すべての生き物には「学名」という万国共通の名前がついています。因みにヒトにはHomo sapiens (ホモ サピエンス)というように、生き物を研究する上で重要な名前なのです。そして、岡山大学の福田宏准教授は日本人に縁のある『サザエ』に学名がついていないという事実を発見しました。複雑な話なので、かいつまんで要約すると…
日本産のサザエは1786年に英国の博物学者であるLightfootによって学名がつきましたが、福田准教授が当時の論文を見るとスケッチの特徴などが明らかに中国産の『ナンカイサザエ』と一致していることが発覚!
では、今まで食べていたサザエに学名はついているのか?…と、福田准教授は原種記載からおよそ250年もの月日の空いたサザエの論文を精査するという途方もない研究をした結果、日本産のサザエに学名がついていないという驚愕の事実が発覚したというわけです。
福田准教授は有効な学名がついていなかった日本産のサザエに「Turbo sazae」(トゥルボ サザエ)と命名し、2017年5月16日に国際学術誌の掲載し新種として全世界に認められたというわけです。
今までサザエに学名がついていなかった理由として、日本になじみ深い種だったため見落とされていた事や、サザエが記載された当時日本は江戸時代で鎖国中だったため、日本のサザエが入手困難だった事、ネットが普及するまでは古い文献を閲覧することが難しかった事…などがあるようです。
これから海水浴やBBQのシーズンがやってきます!今年はウィルスの影響で外出しづらい状況だと思いますが、是非『2017年に見つかった新種の巻貝の壺焼き』でも堪能したいですね!笑
