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きぶなくんの市場のお魚雑学ブログ(魚以外もあるよ!)

アナゴの話

2023-02-20
アナゴは刺身で食べられるのか…
いきなりですが、皆さんは『アナゴを使った料理』と聞くと何を連想しますか?
 
ほとんどの方は煮穴子や蒲焼き、焼き穴子、天ぷらなどを連想されるかと思います。
そして、それらの料理に共通して言えることは全て加熱されたアナゴ料理という事です。言われてみれば、アナゴに近い魚であるウナギも蒲焼きなどが有名で、生で食べる話はあまり聞きませんね。
ではなぜ、アナゴ料理は火を通す必要があるのでしょうか?
 
その理由は…『アナゴは毒を持つ魚』だからなのです。
 
そしてこれらの毒はアナゴと同じ体型をしたウナギやハモなどの魚も同様に持っており、主に血液や体表の粘液中に多く含まれます。そしてこの毒は加熱をすることにより、完全に無毒化することができるので、加熱して食べる分には全く問題はございません。
ただし、注意すべきはアナゴやウナギを調理する際、傷口に血や粘液が入らないように気を付ける事、そしてこれらの魚を触った手で目をこすらない事です。
 
以上の事から生で食べられることの少ないアナゴでしたが、本当に刺身として食べることはできないのでしょうか?
 
結論から言ってしまうとアナゴの刺身はできます!

むしろ、広島や長崎などの西日本ではアナゴの刺身やお造りをメニューとして出す料理店も多いそうです。
実際にアナゴを刺身で食べる為には鮮度がよく、しっかり血抜きされたものを選び、調理の際には血を残さず、ぬめりがとれるまで水洗いしたうえで捌く…という、熟練の技が必要とのこと。
 
…そしてなんと、今回は関東では激レアなアナゴの刺身を実際にいただいてきました。
 
気になる味の方ですが…まるでフグのようにコリコリとした弾力溢れる食感に、ほどよい脂が乗っており、噛むたびに甘味がにじみ出る…想像をはるかに超える美味しさでとても感動いたしました!煮穴子や蒲焼きが美味しいのはタレのお陰…だけではなく、材料となる魚がアナゴであるからこそあれほど美味しい味になるのだという事を実感いたしました。
 
関東など東日本ではあまりなじみのない料理ですが、是非メニューで見つけた際には『アナゴの刺身』一度召し上がっていただくことをオススメしたいです!
 
※今回アナゴの刺身をいただきました『まん蔵』様、写真のご提供ありがとうございます!
(注:アナゴの刺身はまん蔵様のメニューに常にあるわけではないので予めご了承ください。)
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