きぶなくんの市場のお魚雑学ブログ(魚以外もあるよ!)
ズワイカニのお話
2022-12-16
そもそもズワイとは何ぞや?
いきなりですが、新年が近くなるとアレが食べたくなってきます!
カニです!
…ですが、偏にカニと言っても様々なカニがいますね。松葉ガニ・越前ガニ・加能ガニ・間人(たいざ)ガニ・ヨシガニ・津居山ガニ…などなど。今の時期になると、通販やテレビ番組などでこれらのカニの名前を聞く機会が多くなってきます。
しかしながら上記したカニは、実は全てズワイガニのブランドネームなのです。
それぞれのブランドガニは鮮度維持の方法や漁場の地形、漁獲方法などなど…様々な理由で差別化されており、いずれのブランドガニも決められた厳しい基準をクリアした個体のみが流通します。カニによっては身にも特徴があるようで、個人的には是非食べ比べをしてみたいところではありますが、ズワイガニの食べ比べは(お値段的に…)非常に困難を極めるところだと思われます。
さて、各地で様々なブランドネームがつけられ、私たちも当たり前のように呼んでいるズワイガニですが…そもそもズワイガニの『ズワイ』には一体どのような意味があるのでしょうか。
ズワイガニは漢字で『楚蟹』と書きます。
この楚という漢字は『すわえ』と読み「木の枝や幹から細く長くのびた若い小枝」…という意味があります。この言葉は枕草子で登場した古語のようです。ズワイガニの細く長く伸びた足を枝に見立てて名づけられたと言われています。因みに飾り気がなくすっきりした様子も『清楚』といって楚の漢字が当てられていますね。
また正月飾りにも使われる、梅の花が咲いた細長い枝の事を生け花などの用語で『ずばえ(寿栄)』と言うこともあるようで、この語源もズワイガニと同じく『楚』からきていると言われています。(注:ずばえに関しては他にも『ずばい』や『ずはい』、『梅ずあい』など、様々な呼び名があるようです。)
もしかしたらお正月にはずばえを飾りながらズワイガニを食べる…そんなズワイがいっぱいなご家庭もあるかもしれません。
普段なら手を出すことに躊躇ってしまうような高級食材ですが、年末年始というおめでたい時期には縁起のいい色でもある真っ赤なズワイガニを食べて、良い一年を祈願したいものですね。