きぶなくんの市場のお魚雑学ブログ(魚以外もあるよ!)
アジのお話
2022-11-14
世界最大のアジ入荷!
今年も残すところあと1か月半になり、いよいよ年の瀬が近づいてきました。朝から肌寒い市場では、さすがに半袖の人はほぼいなくなりました。
そんな冬の香りが漂う宇都宮市場に、その雰囲気をぶち壊さんとするドでかい魚入荷されました!
世界最大のアジ『ロウニンアジ』です!
ロウニンアジは茨城県以南の沿岸域に見られ、主に九州南岸や琉球列島、小笠原諸島などの南の海域で見ることができます。名前の由来は群れを作らずに単独で行動する様子から『浪人鯵』という名がついたようです。(諸説あり)
その大きさはNPO法人「ジャパンゲームフィッシュ協会」の記録(2022.11.14現在)によりますと全長約168㎝、体重72.8㎏という個体が世界最大の記録とのことです。
私たちが普段食べているマアジの大きさから考えると別次元の大きさですね。
その巨体から、釣り人やダイバーからも非常に人気の高い魚であり、英名のGiant trevallyの頭文字をとって「GT(ジーティー)」という名で親しまれています。
そして、このロウニンアジの主なエサは小魚やイカなどと言われていますが、大きな個体はなんと海鳥も捕食します。それはもう丸呑みです。なんと…ロウニンアジは鳥をも食べるアジなのです。その衝撃的な動画は、撮影に成功した英国BBCのYouTubeチャンネルなどでも見ることができますので、気になった方は是非チェックしてみてください。
しかしながら鳥に狙われる幼魚期から、逞しく成長を遂げるロウニンアジ…なんとも感慨深いですね。
さて、話は市場に戻ります。ロウニンアジは一部の国や地域ではシガトキシンという毒を持っており、食用が禁止されている場所もあります。しかしながら、注意すべきはオーストラリアや東南アジアなどの諸外国で揚げされた大型の個体であり、食べても大丈夫な土地で水揚げされたロウニンアジのみが国内で流通しています。
そしてロウニンアジの旬は秋~冬とも言われており、まさしく今が美味しい時期という訳です。栃木県内ではあまり目にする機会は少ないかと思われますが、見つけた際には「世界最大のアジの味」是非ご賞味ください!