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きぶなくんの市場のお魚雑学ブログ(魚以外もあるよ!)

キンメダイの話

2022-05-09
実は身近な所にもいるゴールデンアイズ
宇都宮の市場でよく見かける魚の中にキンメダイがいます。キンメダイは赤い体に大きな目が特徴的な魚ですが、この大きな目が金色に光ることから金目鯛という名前がつきました。因みにタイという名前が付きますが、タイの仲間ではありません。世間では高級魚として扱われることも多い魚ですが、近年では海外からの輸入も増え、比較的手ごろな価格で出回ることも多くなっております。
 
さてさて、キンメダイは水深200mよりも深い場所に生息している、れっきとした「深海魚」です。深海はとても暗い場所ではありますが、キンメダイはそんな環境でも大きな目を使って周りを見ることができます。…とはいっても目そのものが懐中電灯のように光るわけではありません。
では、キンメダイの目にはどのような秘密があるのでしょうか。簡単に言うなら…なんと目の奥に鏡のような反射板を持っているのです。
 
ヒトを含む動物の目の内側には光を感じ取る『網膜』という組織がありますが、キンメダイの目の中には網膜の外側を覆うように鏡のような反射板があるのです。この反射板を『タペータム』といいます。このタペータムに光が反射して金目に見えるというわけです。
 
ヒトの目では通常、網膜に光が1回通過して終わりですが、キンメダイの目は網膜を通過した光がタペータムに反射して、もう1度網膜を通過します。つまり1度で2回分の光が網膜を通るのです。これによって光の感度が非常に高くなり、真っ暗な深海に届くわずかな光を増幅させて周りを見ることができるというわけです。
 
このタペータムですが、実はキンメダイ以外の生き物たちも持っています。テレビ番組などで、赤外線カメラによって撮影された動物たちの目が白く光っている映像見たことある人は多いと思います。タペータムの構造が異なる動物もいますが、タヌキやライオン、ネズミやネコなど、主に夜行性の生き物たちの中にはタペータムを持っている種類が多いのです。
 
身近な場所に暮らす動物たちとキンメダイには意外な共通点があったというわけですが、キンメダイはスーパーなどでも買える美味しい魚です!さすがにネコやタヌキまでとは言いませんが、この素晴らしい深海魚をもっと身近に感じて食べてみると、その美味しさもひとしおかもしれませんね。
 
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